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先日、ローン返済額の通知を見ていたとき、ふと違和感を覚えました。
契約内容を確認してみると、そこには衝撃の事実が。
自分の変動金利が、なんと1年前の2倍以上になっていたのです!
今、金融各社の変動住宅ローン金利は軒並み上昇しています。
2024年7月時点では0.4%程度だったものが、2025年7月現在では0.8~0.9%程度まで上昇しているのです。

そう思われる方もいるとかもしれませんが、いきなりそう考えるのは危険です。
金利が上がっている今だからこそ、焦って動くのではなく、 「正しく現状を知り、冷静に判断すること」が大切です。
この記事では、自分の実体験で得た学びを元に、 金利上昇時代に本当にすべきことを、同じ悩みを持つあなたのために解説します。
【最初のステップ】自分の住宅ローンの現状を確認しよう
「変動金利だけど、急に返済額は変わらないはず」 そう思っている方も多いかもしれません。
まずは、なぜ今、金利の確認が絶対に必要かを説明します。
なぜ今、金利の確認が必要なのか?
多くの変動金利ローンには、家計の急な変化を抑えるための仕組みがあります。
- 5年ルール:金利が上がっても、5年間は毎月の返済額が変わらない
- 125%ルール:5年後に返済額が見直される際も、元の返済額の1.25倍までしか上がらない
だったら安心、と思うかもしれませんが、ここに落とし穴があります。
このルールは、あくまで毎月の「返済額」を固定するだけです。 水面下で適用金利が上がっていると、返済額に占める利息の割合が増えていきます。
最悪の場合、毎月の返済額が利息分にすら満たず、元金が全く減らない**「未払利息」**が発生する可能性もあるのです。 だからこそ、今の正確な金利を知ることがスタートラインになります。
現在の正確な適用金利の確認方法
今の金利は、下記の書類やページで確認できます。
- 返済予定表:金融機関から年に1〜2回、郵送や電子交付で届きます。
- インターネットバンキング:契約者向けのマイページやローン契約内容の照会画面で確認できます。
「現在の適用金利を教えてください」と伝えれば、すぐに教えてくれます。
借り換えのメリットは本当にあるか?【冷静に再確認】
自分の金利を把握できたら、次は借り換えのメリットを冷静に見ていきましょう。 金利上昇の今だからこそ、得られるメリットもあります。
総返済額が減る可能性
借り換えの最大のメリットは、やはり総返済額の削減です。 たとえ金利が全体的に上がっていても、金融機関ごとの金利差は依然として存在します。
金利1%の違いで、これだけ返済額が変わる
【条件】
- ローン残高:3,000万円
- 残り返済期間:25年
【シミュレーション】
- 金利1.5%の場合
- 総返済額:約3,605万円
- 金利0.5%の場合
- 総返済額:約3,194万円
→ 総返済額の差:約411万円
※元利均等返済、金利は完済まで変動しないと仮定した場合の概算値です。
このように、わずかな金利差が、最終的に数百万円もの差を生む可能性があります。
月々の返済額を(一時的にでも)安定させる
「これ以上、金利が上がるのは怖い…」 そう感じるなら、現在の変動金利から**「固定金利」**へ借り換えるのも有効な選択肢です。
固定金利は変動金利より高めに設定されていますが、完済までの金利が変わらない安心感を得られます。
保障内容の充実(団信の見直し)
住宅ローンを契約する際に入る「団体信用生命保険(団信)」。 最近の団信は、死亡・高度障害だけでなく、がんや生活習慣病など、保障範囲が広がっています。
借り換えは、この団信を最新のものに見直す良い機会にもなります。
【シミュレーションの前に】借り換えのデメリットと諸費用
メリットだけを見ると、すぐにでも借り換えたくなります。 しかし、自分の場合は、これから説明するデメリットを計算した結果、借り換えを見送りました。
諸費用がかかることを忘れないで
借り換えは、新しいローンを組むことと同じです。 そのため、まとまった「諸費用」が発生します。
再度、住宅ローンの審査が必要
借り換えには、新規のローン契約と同じく、厳しい審査があります。 主にチェックされるのは下記の点です。
- 収入や勤務先:契約時より年収が下がったり、転職したりしていないか
- 健康状態:団信に加入できるか
- 物件の担保価値:物件の価値が大きく下がっていないか
契約時より状況が変わっている場合、審査に通らない可能性もゼロではありません。
手続きに手間と時間がかかる
実際に借り換えるとなると、情報収集から融資実行まで、一般的に1ヶ月〜2ヶ月ほどかかります。 多くの書類を準備する必要もあり、相応の手間がかかることは覚悟しておきましょう。
あなたは借り換えるべき?判断する3つの基準
では、どのような人が借り換えのメリットを受けやすいのでしょうか。 一般的に、下記の3つの基準を満たすと、諸費用を払っても得をする可能性が高いと言われています。
借り換えを検討すべき3つの基準
- ローンの残高が1,000万円以上ある
- ローンの残りの期間が10年以上ある
- 現在の金利と借り換え後の金利差が1%以上ある
これはあくまで、借り換え検討を始めるための一般的な目安です。 最終的には、あなたの状況でしっかり計算することが何より重要です。
メリットがありそうなら、次は何をする?
もし、あなたの状況が3つの基準に当てはまり、シミュレーションでもメリットが出そうなら、次のステップに進むことを検討してみましょう。
とりあえず簡易的にシミュレーションするなら「モゲチェック」が便利です。
ログイン等は不要で、現在の住宅ローン残高、返済期間、現在の住宅ローン金利等を入れるだけで借り換えをしたときに総返済額を下げられるかが計算できます。

ここで目星がつけられたら下記に進みましょう。
STEP1:複数の金融機関でシミュレーションする
まずは、気になる金融機関のウェブサイトで、より詳細な条件でシミュレーションをおこないます。 金利だけでなく、必ず諸費用を含めたトータルの金額で比較することが大切です。
STEP2:ネットで事前審査(仮審査)を検討する
シミュレーションの結果、具体的に話を進めたい金融機関が見つかったら、**「事前審査(仮審査)」**を検討します。 これは、年収などの簡単な情報を入力するだけで、融資の可能性があるかを簡易的に審査してくれるものです。
複数の金融機関に申し込んでも信用情報に影響はないとされているので、有力な候補を2〜3社に絞って受けてみるのがおすすめです。
この事前審査に通れば、本格的な借り換え手続きに進む自信が持てます。
まとめ:金利上昇に焦らず、まずは「知る」ことから始めよう
自分の体験談からお伝えしたいのは、**「借り換えが、必ずしも全員にとっての正解ではない」**ということです。
金利上昇のニュースを見ると、誰もが焦りを感じるはずです。 しかし、その焦りから行動を起こす前に、まずは一度立ち止まってください。
- 自分の今の正確な金利と残高を知る
- 借り換えにかかる諸費用を把握する
- その上で、総支払額が本当に得になるかシミュレーションする
大切なのは、現状を正しく把握し、冷静に比較検討することです。 この記事が、あなたの家庭にとっての「最適解」を見つける手助けになれば、これほど嬉しいことはありません。
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