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会議で「自分の意見だけ、なんだか浮いているかも…」 職場の雑談で「うまく話が合わないな…」
こんな風に感じたことはありませんか?
この記事は、自分の考え方が周りと少しズレていると感じ、 組織の中でどう振る舞えばいいか悩んでいるあなたのためのものです。
「みんなと違う」ことを無理に隠したり、 自分を責めたりする必要はありません。
そのユニークな視点を活かして、 心地よく働くためのヒントを一緒に探していきましょう。
きっかけは上司の一言。自分の「ズレ」を自覚した日
まずは自分自身が「少数派」なのだと強く自覚した日の話をさせてください。
ある日、上司との1対1の面談が11:00に設定されていました。 しかし直前に、チャットでこんな連絡が来ました。
承諾し、11:15の少し前に会議室へ向かうと、 窓からまだ前の人と上司が話しているのが見えました。
そして、約束の11:15。 しかし、まだ面談は終わりそうにありません。 少しだけ待ってみましたが、すぐに終わる気配は見えません。
さて、この状況であなたならどうしますか?
おそらく、大体の方はこのいずれかに収まるのではないでしょうか?しかし、自分がとった行動は違いました。
自分は会議室のドアをノックして入室し、上司にこう尋ねたのです。
自分のこの行動の意図は、純粋な「確認」でした。
『すぐに終わるから待っていてほしいのか』 『まだ長引くから席に戻っていてほしいのか』
この先の動きを上司、前の人、自分の三者全員が把握することで、 誰も焦ったり迷ったりせず、 目の前のことや次の行動に集中できる。 そう考えた上での、自分にとっては最も合理的で、 全員のためになると思った判断でした。
自分の時間を無駄にされたという怒りや、 早く終われ、という焦りの感情は一切ありません。
しかし、上司から返ってきたのは、予想もしない言葉でした。
頭を殴られたような衝撃でした。 良かれと思って起こした行動が、 全くそのようには受け取られなかったのです。
この経験から、自分は「考え方が少数派である」と自覚しました。 ただ、多数派と違う考えを持っているだけで、 それは決して悪いことではない。
そう強く思えるようになるまでには、 もう少し時間が必要でした。
「自分だけズレてる?」その感覚の正体は?
その「ズレ」はあなたのせいじゃない
先ほどの自分のエピソードのように、 あなたが感じている「ズレ」は、あなた一人のせいではありません。
どんな組織やチームにも、 言葉にはされない「暗黙の普通」が存在します。 これは多数派の意見や行動パターンが、 いつの間にか「当たり前」になったもの。
決して「唯一の正解」というわけではありません。 あなたが感じている「ズレ」は、 この見えない「普通」との距離感なのです。
大切なのは、誰もがすべての場面で多数派なわけではない、ということです。 仕事の進め方では少数派でも、好きなアニメの話をすれば多数派かもしれません。 私たちは皆、ある点では多数派、ある点では少数派と、 その領域を出たり入ったりするのが当たり前なのです。
周囲と違うと感じる人が抱えがちな悩み
この「ズレ」を感じていると、次のような悩みを抱えやすくなります。
- ストレートに意見を言うと「変わってるね」と遠回しに否定される
- 良かれと思ってした発言が、場の空気を乱してしまう
- 周りが盛り上がる話題に、心から共感できず孤独を感じる
- なぜそれが評価されるのか、会社の基準に納得できない
心当たりがあるかもしれませんね。 でも、それはあなたが劣っているからではありません。 見ている視点が、少し違うだけなのです。
その「ズレ」、実は「ユニークな視点」という強みです
ここで言う「ユニーク」とは、単に「変わっている」という意味ではありません。 **「独特な、他にない、個性的な」**という意味です。
みんなと同じじゃ意味がない。違いが生み出す価値
「ズレている」と感じるその感覚は、 裏を返せば「ユニークな視点を持っている」ということです。
実際、ある調査では、 多様な視点を持つチームは、 均一的なチームに比べて革新的な成果を出す確率が高い、 というデータも報告されています。
みんなが同じ方向を向いている時、 一人だけ違う角度から物事を見ている。 その視点こそが、組織の成長には不可欠なのです。
・他の人が見過ごす問題点やリスクに、いち早く気づける
・常識にとらわれず、新しい企画や改善案のきっかけを作る
・「本当にそれでいいの?」と問いを投げかけ、チームの議論を深める
あなたの「当たり前」を武器に変える
あなたの短所だと感じていることも、 環境や捉え方次第で、強力な武器に変わります。
このように、あなたの「当たり前」は、 他の人にはない特別な才能なのです。
【実践編】組織の中で「自分らしさ」を活かすための具体的なアクション
では、具体的にどうすれば良いのでしょうか。 明日から試せる3つのアクションを紹介します。
まずは自分の「トリセツ」を理解する
自分という人間を客観的に把握することから始めましょう。 自分の「取扱説明書」を作るイメージです。
自分を知るための3つの質問
- 得意なこと・苦手なことは?
(例:単純作業は苦手だけど、原因分析は得意。大人数より1対1の会話が得意) - どんな時に心地よく、どんな時にストレスを感じる?
(例:静かな環境だと集中できる。急な依頼が続くとパニックになる) - 仕事において、絶対に譲れない価値観は?
(例:プライベートの時間は必ず確保したい。意味のないルールには従いたくない)
これを書き出すだけでも、 自分の思考のクセや大事にしたいことが明確になります。
仕事の進め方を「自分仕様」に調整する
自分の特性が分かったら、 少しだけ仕事のやり方を工夫してみましょう。 ポイントは、周りを変えるのではなく、 自分と周りとの「接点」を調整することです。
依頼や指示の受け方 「〇〇という理解で合っていますか?」 「もしよろしければ、目的と背景も教えていただけますか?」 → 5W1Hをこちらから確認し、認識のズレを防ぐ。
コミュニケーション 「口頭での説明、ありがとうございます。念のため、後ほど要点をテキストで送ってもよろしいでしょうか?」 → 言った言わないのトラブルを防ぎ、自分のペースで情報を整理する。
タスク管理 「今3つのタスクを抱えていますが、優先順位はどれが一番高いでしょうか?」 → 一人で抱え込まず、相手に判断を委ねることで、パニックを防ぐ。
無理のない範囲で「味方」を見つける
職場で孤立しないために、 たった一人でもいいので「味方」を見つけることが大切です。
味方とは、あなたの意見を面白がってくれる人や、 「なるほど、そういう考え方もあるのか」と 真剣に耳を傾けてくれる人のことです。
普段の会話の中で、 自分の意見に肯定的な反応をくれる人や、 他の人が見ていない部分を褒めてくれる人を探してみましょう。
そんな人が一人いるだけで、 心の負担は大きく変わります。
心地よく働ける「環境」を見極める3つのポイント
もし今の環境がどうしても合わないと感じるなら、 転職を考えるのも一つの有効な手段です。
その際は、次の3つのポイントで会社を見極めてみてください。
ポイント①:多様な意見を歓迎する文化があるか
「出る杭は打たれる」文化の会社は避けましょう。 見極めるには、面接での逆質問が有効です。
「御社では、若手の意見や新しい提案はどのように扱われますか?」 「これまでで、社員のユニークなアイデアが採用された事例はありますか?」
この質問に、具体的なエピソードを交えて楽しそうに話してくれるなら、 多様な意見を歓迎する文化がある可能性が高いです。
ポイント②:働き方の柔軟性があるか
自分らしく働くには、働く場所や時間を選べる自由度が重要です。
- リモートワークやフレックスタイム制度は整っているか
- 制度が実際に活用されているか(利用率などを確認)
- 副業は認められているか
こうした柔軟性は、個人の特性やペースを尊重する会社の姿勢の表れです。
ポイント③:評価基準が明確か
「協調性」や「頑張り」といった曖昧な基準ではなく、 「何をもって評価されるのか」がクリアな会社を選びましょう。
職務内容や責任範囲、評価項目が明確な「ジョブ型雇用」を導入している企業は、 個人の専門性や成果を正当に評価してくれる傾向があります。
【環境選びのチェックリスト】
- ☐ 採用サイトに「多様性」「個性を尊重」といった言葉があるか
- ☐ 面接官がこちらの話を真剣に、最後まで聞いてくれるか
- ☐ リモートワークやフレックスなど、働き方の選択肢が豊富か
- ☐ 評価制度について、具体的で納得のいく説明があるか
「ズレ」ているのではなく「ユニーク」なだけ
最後に伝えたいのは、 あなたは「ズレている」のではなく、 ただ「ユニーク」だということです。
周りと少し違う視点を持っていることは、 あなたの個性であり、貴重な才能です。
無理に周りに合わせようと自分をすり減らすのではなく、 その個性をどう活かすか、 どんな環境なら心地よいかに目を向けてみてください。
あなたのそのユニークな視点が、 これからのチームや会社にとって、 きっと良い刺激になるはずです。
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