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子どもの頃、こういわれた経験はありませんか?
その一方で、こんなこともいわれませんでしたか?
そしてこう思ったはず。
実はそこには、塩分量だけではない、日本の食文化と健康に関わる深い理由が隠されていました。
この記事を読めば、長年のモヤモヤが解消され、明日からのラーメンと味噌汁との付き合い方が変わるかもしれません。
衝撃の比較!ラーメンの汁 vs 味噌汁、本当に悪いのはどっち?
まず、両者の汁に一体何が含まれているのか、具体的な数値で比較してみましょう。
真実を知ると、なぜ「残せ」と言われるのかが見えてきます。
塩分・脂質・カロリー対決
ラーメンと味噌汁、それぞれ一人前に含まれる塩分やカロリーの目安は下の表の通りです。
項目 | ラーメン(汁を全て飲んだ場合) | 味噌汁 |
塩分 | 約6.0g 〜 8.0g | 約1.2g 〜 1.5g |
脂質 | 約10g 〜 20g以上 | 約1g 〜 2g |
カロリー | 約150kcal 〜 300kcal以上 | 約30kcal 〜 50kcal |
※ラーメンの種類や味噌汁の具材によって数値は大きく変動します。
この表を見ると、その差は一目瞭然です。
特に注目すべきは塩分量です。
厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日あたりの塩分摂取目標量を成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満としています。
つまり、ラーメンの汁を一杯飲み干すだけで、1日の目標量に達してしまう、あるいは超えてしまう可能性があるのです。
結論:やはりラーメンの汁の塩分は多かった
塩分、脂質、カロリー、いずれの観点から見ても、ラーメンの汁をすべて飲み干すことは過剰摂取に繋がりやすいと言えます。
もちろん、たまにのご褒美として楽しむのは素晴らしいことです。
しかし、日常的に汁を飲み干す習慣は、健康面で少し注意が必要かもしれません。
「ラーメンの汁は残せ」は愛のある言葉だった!飲み干すことの健康リスク
美味しさの代償は大きいかもしれません。
「残しなさい」という言葉の裏にある、体への影響を具体的に見ていきましょう。
高血圧から始まる生活習慣病のドミノ
過剰な塩分は、高血圧の最大の原因です。
体は、血液中の塩分濃度を一定に保とうとします。
塩分を摂りすぎると、濃度を薄めるために血液中の水分量が増えます。
その結果、血管を押す力(血圧)が強くなってしまうのです。
そして、怖いのはここからです。
高血圧の状態が続くと、血管は常に張り詰めた状態になり、次第に硬く、もろくなっていきます(動脈硬化)。
この動脈硬化が、脳の血管で起これば脳卒中、心臓の血管で起これば心筋梗塞といった、命に関わる病気の引き金になるのです。
塩分だけじゃない!脂質と糖質がもたらす影響
ラーメンの汁の美味しさは、背脂や香味油といった脂質による部分も大きいです。
しかし、これらの脂質や、麺に含まれる糖質の摂りすぎは、消費されなかったエネルギーが脂肪として蓄積され、肥満や脂質異常症の原因となります。
「美味しいものは脂肪と糖でできている」とよく言われますが、まさにその通りで、美味しさと健康リスクは隣り合わせなのです。
「味噌汁は飲め」の真実。それは”飲むサプリメント”だったから
では、なぜ味噌汁は最後まで飲むことを推奨されるのでしょうか。
その理由は、塩分というデメリットを上回るほどの、素晴らしい健康効果にありました。
味噌は日本のスーパーフード
味噌の原料である大豆は、「畑の肉」と言われるほど栄養が豊富です。
さらに、発酵というプロセスを経ることで、大豆のたんぱく質がアミノ酸に分解されて消化吸収しやすくなったり、ビタミン類が生成されたりと、栄養価が格段にアップします。
まさに、日本の食文化が育んだスーパーフードなのです。
味噌汁から得られる驚きの健康効果
味噌汁を飲むことで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。
- 生活習慣病リスクの低減大豆に含まれるレシチンやサポニンには、血中のコレステロールの上昇を抑える働きがあります。国立がん研究センターの研究では、1日3杯以上の味噌汁を飲む人は、全く飲まない人に比べて胃がんの死亡率が低いというデータも出ています。
- 美肌・アンチエイジング効果大豆イソフラボンは、女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きをし、肌のハリを保つコラーゲンの生成を助けます。また、抗酸化作用のあるビタミンEも含まれ、細胞の老化を防ぐ効果が期待できます。
- 腸内環境の改善発酵食品である味噌には、腸内の善玉菌のエサとなる成分が含まれており、腸内環境を整えるのに役立ちます。
「でも、味噌汁だって塩分があるじゃないか」と思いますよね。
その通りです。しかし、それを上回るほどの健康メリットがあること、そして次の項目で説明する理由から、「飲み干す価値がある」と考えられているのです。
具材の栄養を丸ごと摂取できる
味噌汁の最大の利点の一つは、具材の栄養を丸ごと摂れることです。
特に、野菜や海藻を具にすると、調理で水に溶け出してしまうビタミンやミネラルも、汁を飲むことで余すことなく摂取できます。
さらに、ワカメやほうれん草、じゃがいもといった具材に多く含まれるカリウムには、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出してくれる働きがあります。
つまり、味噌汁は塩分を含みながらも、それを排出するのを助ける成分も同時に摂れる、非常によくできた料理なのです。
罪悪感よさらば!ラーメンの汁と上手に付き合う方法
実は、このブログの作者である自分(NAND)は最近、カップラーメンを食べた後の汁にオートミールを入れて「追い飯風」にして食べることに、すっかりはまっています。
ご飯を入れるよりもヘルシーな気がしていましたが、今回こうして調べてみた結果、そもそもラーメンの汁に塩分が非常に多いという現実に直面しました。
一度知ってしまったこの美味しさから逃れるのは、正直かなり難しいと思われます。
でも、やっぱり健康も大事にしたい…。
この葛藤の末、自分は「今後はカップラーメンそのものを食べる機会を、少しずつ減らしていこう」と心に決めました。
そんな自分だからこそ、たまに食べるラーメンを少しでも罪悪感なく楽しむためのコツを、真剣に考えてみました。
- 飲むのは「レンゲ3口まで」と決める「全部飲まない」と決めるより、「ここまでならOK」という自分ルールを作る方が実践しやすいです。
- 野菜から食べる「ベジタブルファースト」先に野菜を食べることで、食物繊維が糖や脂肪の吸収を穏やかにしてくれます。
- 水を一緒に、または食後にしっかり飲む体内の塩分濃度を薄め、排出を促す助けになります。
- 「完まく」より「ごちそうさま」お店によっては汁を飲み干すことを「完まく」と呼び推奨している場合もありますが、達成感よりも自分の健康を優先する勇気を持ちましょう。
味噌汁の効果を最大化する!最強の健康スープにする飲み方
いつもの味噌汁を、さらに健康効果の高い一杯にグレードアップさせる方法もご紹介します。
ほんの少しの工夫で、毎日の食事が未来の自分への投資になります。
- 具沢山こそ正義!野菜、きのこ、海藻、豆腐などをたっぷり入れましょう。物理的に汁の量が減って減塩に繋がる上、様々な栄養素やカリウムを摂取できます。
- 出汁の旨味を最大限に活用する昆布やかつお節、煮干しなどでしっかり出汁をとると、その旨味のおかげで味噌の量を減らしても満足感のある美味しい味噌汁になります。
- 減塩タイプの味噌を選ぶスーパーには様々な減塩味噌が並んでいます。どうしても塩分が気になる方は、これらを活用するのも賢い選択です。
まとめ
「ラーメンの汁は嗜好品、味噌汁は健康食」
これが、長年の疑問へのシンプルな答えです。
ラーメンの汁は、その塩分と脂質の多さから、健康を考えると日常的に飲み干すのは避けるべき**「特別なごちそう」**です。
一方で味噌汁は、塩分以上に素晴らしい健康へのメリットがあり、古くから日本人の体を支えてきた**「飲むサプリメント」**と言える存在です。
ラーメンが悪で、味噌汁が善という単純な話ではありません。
それぞれの特性を正しく理解し、自分の体と相談しながら、どちらも賢く、美味しく楽しんでいきましょう。
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