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あなたが今、担当しているそのプロジェクト。
心のどこかで「これ、本当に誰かに求められているんだろうか…」
なんて、不安になっていませんか?
今の自分が、まさにそうです。
グループの方針で始まった、
設計ノウハウをまとめるドキュメント作成プロジェクト。
しかし、ユーザーの反応は薄く、価値を全く感じられない。
それなのに、上司からは
「上期中に完成させろ」という厳しい期限が迫る。
今の自分の心の声
- 詳細に作り込んでも、誰にも使われなければ徒労だ…。
- かといって、形だけ作ってやり過ごすのも手だろうか?いや、それでは何も生まれない…。
- そもそも、下期は別計画で忙しく、このプロジェクトに割ける時間はない。
- 周囲に協力を仰ぎたいが、みんな忙しい。断られるのが、怖い──。
八方塞がりに見えたこの状況。
しかし、いくつかの「思考の転換」と「具体的な技術」を整理したことで、
この状況を打開するための、具体的な道筋が見えてきました。
この記事は、そんな自分の「思考の整理」の全記録です。
もしあなたが同じような悩みを抱えているなら、
この道のりが、暗闇を照らす小さな光になるかもしれません。
「完璧」か「手抜き」か?その二者択一が、すべての不幸の始まりだった
最初に自分を苦しめたのは、
「完璧に作り込むか、中身スカスカで終わらせるか」
という二者択一の罠でした。
全力を注いで作ったものが誰にも使われなかったら、心が折れる。
かといって、手抜きをして虚しい成果物を作るのも耐えられない。
このジレンマから抜け出すための答えは、
そのどちらでもないはずです。
第三の道、「MVP」という考え方
MVP(Minimum Viable Product)という言葉を知っていますか?
これは、「最小限の価値を提供できる製品」という意味です。
完璧な100点のものをいきなり目指すのではありません。
「これだけは絶対に価値がある」と信じるコアな部分(20点分)だけを、
まず100点の品質で作り上げるのです。
読者の心の声
「それって、結局は中途半端なものになりませんか?」
そう思いますよね。
しかし、MVPの本質は「手抜き」ではなく「価値の検証」です。
例えば、設計ドキュメント全体を60点のクオリティで作るのではなく、
「多くの人が最も参照するであろう、最重要の1章」だけを
完璧な100点のクオリティで仕上げる。
そして、それをすぐにユーザーに見せて反応を確かめるのです。
- 「この章、すごく助かる!他の章も早く読みたい!」
- 「内容は良いけど、この書き方だと少し分かりにくい」
- 「正直、あまり使わないかも…」
どんな反応でも構いません。
最悪の事態である「多大な時間をかけたのに、全く見当違いだった」
というリスクを、最小限の努力で避けられるはずです。
このアプローチなら、努力の無駄遣いを防ぎ、
本当に求められているものだけを育てていけるのではないかと考えています。
「無理な納期」という壁は、「交渉」で乗り越える
MVPの考え方は見えましたが、次なる壁は
「上期中に完成させろ」という上司の言葉。
ここで「できません」と答えるのは最悪手です。
自分が試そうとしているのは、「『完成』の定義を、こちらから再提案する」
という交渉術です。
「完成」の定義をハックする
読者の心の声
「そんな提案、うちの上司には通用しないよ…」
たしかに、ただ「やり方を変えたい」では通りません。
大切なのは、上司の目標達成に貢献する姿勢を見せた上で、
さらに良い成果を出すための代替案として提示することです。
具体的には、次のように伝えてみようと計画しています。
自分:「〇〇さん、ドキュメントの件、ご指示の通り上期完成を目指します。その上でご提案なのですが、最高の成果を出すために、上期中のゴールを少し変えさせていただけないでしょうか?」
上司:「ほう、どういうことだ?」
自分:「はい。期限内に形だけのものを作るのではなく、『価値のコア部分を完璧に仕上げ、利用者のフィードバックを得られる状態にすること』を、上期中の『完成』と定義したいのです。これは、誰にも使われない完成品よりも、はるかに価値ある成果になると確信しています」
この提案のポイントは3つです。
ポイント | 説明 |
---|---|
①目標への共感 | まず「上期完成を目指します」と伝え、反発ではないことを示す。 |
②課題の提示 | 「形だけのものになるリスク」という、上司も無視できない課題を伝える。 |
③代替案とメリット | より質の高いゴール(価値のコア+フィードバック)を具体的に提案する。 |
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